手つむぎの糸と布
古より綿々と伝わりし手法
人の手で優しくつむがれていく手つむぎ糸。その原理は数千年前から変わらず。種を除き、わた打ちをして均一にほぐしたわたを、糸車を使い糸をつむいでゆきます。それは気の遠くなるような手作業で、 熟練者が丸一日休みなくつむいでも200g程度の糸が精一杯。本当に手間と根気の要る作業です。
ある程度練習すると誰でも糸をつむぐことはできます。ただ、切れないようにつむぐことはもちろんのこと、速く、正確に、継続することは至難の業です。糸の中心は撚りがかかっているのでしっかりと、 手で紡いでいるので表面はやさしくふんわりと。柔らかくムラのある、自然な風合いの糸になります。
手つむぎとは、その名の通り機械ではなく糸車を使い手で糸をつむぐ手法。 機械でつむいだ糸は均一に仕上がりますが、手つむぎ糸は「より」が柔らかく、 そして手加減によって調整するので、必ず太さにむらがあります。 (手つむぎの熟練者でも、太いところや細いところが生じます。)
例えばストールの巾や長さに差がでてしまいます。 一本の糸の太さが一定にならず、太い部分と細い部分がある為、 仕上がり寸法に若干の差がでます。
収穫年により若干の色の差がでます。 また、入荷の時期により生成や茶綿の色合いは異なります。 自然のままの色や手仕事により、均一でないということを 予めご了承いただけましたら幸いです。
天然染料染めをした場合、色むらがでます。 糸の太さが均一でないため、染色をした場合に色むらが出ますが これは意図的には生み出すことのできない、独特のグラデーションです。