2012 . 3.17 更新
記:小林(益久染織研究所)
“全身全霊” “祈りを込めて”...
雨城館に展示されている着尺、
前田先生が染められた法隆寺献納宝物復元色。
1400年前から変わることのないものは、
色だけでなく、一子相伝の想い。
廣田
「この一生懸命に染めた時もそうやけど、織りをする時も祈るように織ってたなあ。特にねえ、整経(経糸の準備)や綛上げ。あれこれ違うこと考えて、心に迷いがあった時は糸がくちゃくちゃになって、そらもうどうしようもないことになる。染めも織りも、心静かに祈るようにやらなあかんねえ、想いを込めてね」
— はい、身に覚えがあります。糸をさばいているときにからめてしまい、焦ってするものだから余計にからんで、また焦って。結局、専務に助けて戴きました。その時に思いました。糸は生き物だから、真摯に向き合おうと。
さて、素朴な質問ですが、(雨城館の復元色を見ながら)この法隆寺献納宝物の復元色を手がけられるようになったのは、どのようなきっかけでしょうか。